Windowsで様々なPythonバージョンを一緒にインストールして同時に管理する方法

Python

Pythonは様々なバージョンが共存するプログラミング言語で、開発者はしばしば複数のバージョンを同時に管理する必要があります。特にWindows環境でこれを効果的に行う方法を知っていれば、各プロジェクトに適したPython環境を迅速に設定することができます。この記事では、Windowsに複数のPythonバージョンをインストールして管理する方法をステップごとに説明します。

Pythonのインストール

  1. Python 公式ウェブサイトを訪問
    Python 公式ウェブサイトにアクセスして、ダウンロードセクションに移動します。
    Web 公式サイト (新しいタブで開く) または FTP 公式サイト (新しいタブで開く)
  2. バージョンの選択とダウンロード
    必要な Python バージョンを選択し、Windows 用インストールプログラムをダウンロードします。例えば、Python 3.8 と Python 3.9 が必要な場合は、それぞれのインストールプログラムをダウンロードします。
  3. インストール
    ダウンロードしたインストールプログラムを実行して、インストールを進めます。この際、インストール時に「Add Python to PATH」オプションをチェックせず、各バージョンを異なるディレクトリにインストールすることが重要です。

1.Python公式ウェブサイト訪問

公式サイトのダウンロードバージョンを見やすくまとめました。

pythonダウンロード:バージョン別公式リンクのまとめ
Pythonのインストールプログラムをバージョンごとに整理し、ユーザーが簡単にダウンロードできるようにした記事です。Windows、Mac、Unix用の各バージョンのダウンロードリンクを提供し、希望するPythonバージョンを手軽にインストールできます。

2.バージョンを選択し、ダウンロード

各インストールプログラムをダウンロードします。

3.インストール

Add Python 3.x to PATH” オプションにチェックしません。

ダウンロードしたバージョンを「Install Now」を選択してインストールした結果です。

pyコマンドでバージョン管理

インストールが完了したら、Windowsの ‘py’ コマンドを使用して各バージョンを簡単に管理できます。

  1. バージョンの確認
    コマンドプロンプトを開き、「py -0または「py –list」コマンドを入力して、インストールされているすべてのPythonバージョンを確認します。
  2. バージョンの選択
    特定のバージョンを使用したい場合は、例えばPython 3.8を使用したい場合は、「py -3.8」コマンドを入力します。

1.バージョンの確認

インストールされているすべてのPythonを確認します。が付いているバージョンは、pyコマンドのデフォルトバージョンです。オプションでバージョンを指定しない場合は、が付いているバージョンが実行されます。

C:\Users\Administrator>py --list
 -V:3.11 *        Python 3.11 (64-bit)
 -V:3.10          Python 3.10 (64-bit)
 -V:3.9           Python 3.9 (64-bit)
 -V:3.8           Python 3.8 (64-bit)
C:\Users\Administrator>

2.バージョンの選択

次のコマンドは、バージョン3.9をオプション指定して実行します。

C:\Users\Administrator>py -3.9
Python 3.9.13 (tags/v3.9.13:6de2ca5, May 17 2022, 16:36:42) [MSC v.1929 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>

実際の使用例

例題プロジェクトを設定して練習してみましょう。

  1. プロジェクト名
    MyProject
  2. 使用するPythonのバージョン
    3.8
  3. プロジェクトディレクトリの作成
    望む場所に ‘MyProject’ フォルダを作成します。
  4. 仮想環境の設定
    コマンドプロンプトで MyProject フォルダに移動した後、py -3.8 -m venv myenv コマンドを使用してPython 3.8バージョンの仮想環境を作成します。
  5. 仮想環境の有効化
    作成された仮想環境を有効化するために、myenv\Scripts\activate コマンドを実行します。
  6. 仮想環境での作業
    仮想環境が有効になると、その環境でPython作業を行うことができます。必要なパッケージをインストールし、コードを実行します。

1.から4.仮想環境の設定まで

c:\Temp>mkdir MyProject
c:\Temp>cd MyProject
c:\Temp\MyProject>py -3.8 -m venv myenv
c:\Temp\MyProject>tree . /F
フォルダー パスの一覧
ボリューム シリアル番号は 000001C2 00A1:A16D です
C:\TEMP\MYPROJECT
└─myenv
    │  pyvenv.cfg
    ├─Include
    ├─Lib
    │   ...省略...
    └─Scripts
            activate
            activate.bat
            Activate.ps1
            deactivate.bat
            pip.exe
            pip3.8.exe
            pip3.exe
            python.exe
            pythonw.exe
c:\Temp\MyProject>

5.仮想環境の有効化

activate.bat」を実行すると、プロンプトが (myenv) C:\Temp\MyProject> のように表示されます。これは仮想環境がアクティブになっていることを示しています。

C:\Temp\MyProject> myenv\Scripts\activate
(myenv) c:\Temp\MyProject>

6.仮想環境での作業

Python 3.8の仮想環境では、デフォルトでPython 3.8のコマンドを使用します。

(myenv) C:\Temp\MyProject>python -V
Python 3.8.10

(myenv) C:\Temp\MyProject>pip -V
pip 21.1.1 from c:\temp\myproject\myenv\lib\site-packages\pip (python 3.8)

(myenv) C:\Temp\MyProject>python -m pip install --upgrade pip
Requirement already satisfied: pip in c:\temp\myproject\myenv\lib\site-packages (21.1.1)
Collecting pip
  Downloading pip-24.0-py3-none-any.whl (2.1 MB)
     |████████████████████████████████| 2.1 MB 6.4 MB/s
Installing collected packages: pip
  Attempting uninstall: pip
    Found existing installation: pip 21.1.1
    Uninstalling pip-21.1.1:
      Successfully uninstalled pip-21.1.1
Successfully installed pip-24.0

(myenv) C:\Temp\MyProject>python -m pip install pillow
Collecting pillow
  Downloading pillow-10.3.0-cp38-cp38-win_amd64.whl.metadata (9.4 kB)
Downloading pillow-10.3.0-cp38-cp38-win_amd64.whl (2.5 MB)
   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.5/2.5 MB 8.5 MB/s eta 0:00:00
Installing collected packages: pillow
Successfully installed pillow-10.3.0

(myenv) C:\Temp\MyProject>python -m pip freeze
pillow==10.3.0

Pythonの仮想環境以外では、インストールされたパッケージを確認することができません。

C:\Users\Administrator>py -3.8 -m pip freeze
C:\Users\Administrator>

仮想環境でIDLEエディタを使用するには、次のように実行します。

(myenv) C:\Temp\MyProject> pythonw -m idlelib.idle

結論

Pythonの複数バージョンをWindowsで管理するのは、’py’コマンドのおかげで非常に簡単です。このツールを使用すると、プロジェクトごとに適切なPython環境を迅速かつ正確に設定できます。各プロジェクトの要件に合わせたPython環境を構築して、より効率的な開発を進めてみてください。

その他情報

Windows 10 バージョン 1903以降、Python.exeが存在するディレクトリC:\Users\Administrator\AppData\Local\Microsoft\WindowsAppsが %PATH%に追加されました。Python.exeはPythonプログラムを実行するコマンドではなく、最新のPythonバージョンをダウンロード/インストールするMicrosoft Storeを表示します。

C:\Users\Administrator>echo %PATH%
C:\WINDOWS\system32;C:\WINDOWS;C:\WINDOWS\System32\Wbem;C:\WINDOWS\System32\WindowsPowerShell\v1.0\;C:\Users\Administrator\AppData\Local\Microsoft\WindowsApps;

コマンドプロンプトでPython.exeを実行すると、次の画面が表示され、Pythonインストールプログラムをダウンロードしてインストールできます。

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